chiruru-zのブログ

自分らしく環境問題に取り組むブログ

勿体無い木の使い方

知人が古い家を壊すのです。

日本の住宅の耐久年数は50年と言われ 資産価値としても年々落ちていきます。

 

昭和40年代に建てられた家だそうです。

昭和40年代は海外から輸入木材が沢山日本に入ってきた時代。

その頃の海外の木材がどの様に乾燥されたのかは知らないのですが

日本の古い木材は切り倒してから年月をかけて

自然乾燥をして寝かしていたのだそうです。

そーすると木の脂気が適度に残り粘りがある木材になるそうです。

木材が生きていると小学生の時に大工さんに聞いた事がありました。

 

古いお寺やお城など生きた木で作られているものは確かに手入れをしながら残っていますものね。

菩提寺は江戸時代に建設されました。黒光りした柱は綺麗です。

ハリも太く曲がっていたりして 曲がっているから使わない なんて考えが

なかったのだな〜と思いました。

何処かのCMのセリフのように生きた家なのでしょうね。笑

 

 

今の木材は機械で乾燥するので脂気が抜けて粘りが無い死んだ木とお年を召した大工さんは言います。

機械乾燥木材はKD材と言いますが。

その機械乾燥のKD材の木材は長く保たない木材を作ると仰っていました。

粘り気の無い無理矢理乾燥させた木材です。でも狂いが無い家になります。

が、木材の再利用は不可能です。昔は木材は再利用して建て直せたそうですよ。

家も使い捨ての時代なのです。なんだかな〜。

 

 なんて思いながら ふと我家にある古い本棚に目をやりました。

祖父が持っていた本棚と父が持っていた本棚です。

よく見ると祖父の本棚は木で枠組みを作った後に木目調を張っています。

引越しをした時にめくれてしまった木目調部分をめくると木ではあるのですが

後から貼っている木目調仕様です。

ハリボテ内の中は集成材ではないですが 安価な木材に見えます。

記憶を辿ると幼稚園児の時には祖父の部屋の廊下に置いてあったので

扉のガラスの厚みや作りからみても古さを感じるのですが

海外から来た木材に木目調を張ったカラーボックスと言うイメージです。

カラーボックスはこういう作りから始まったのかもしれませんね。

 

 

父の持っていた本棚は木目調ではないようです。良い色も出ています。

同じ様な時代に家にあっても 家具も色々なのだと思うと

家などの大きな物には沢山の木材を使用するので高度成長期には

機械乾燥は仕方がなかったのかもしれないとも思いました。

 

今の我家は父が最初に建てた家より見た目現代的で素敵ですが 

父が最初に建てた家は  もー亡くなってしまった1人のお年を召した大工さんが

数年かけて  ほぼ1人でコツコツ建てました。

何故1人で建てたのか聞いた事がないので今でも不思議ですが

親戚の材木屋さんで働くお爺ちゃん大工さんでした。

たまに1人今の私位のオジさんも来るのですが

重たい角材を運ぶ時には私達家族も運んだり 押さえたり 掃除したり

小学生だった私は そこで  ノミの使い方

ノコギリやカンナの使い方 墨壺の使い方を大工さんに教わりました 。

カンナ屑は薄く長くネックレスにしたりして優雅な気分になれるゴミでした。

 

その屋内の 壁にはった木が季節によって変化し 時々飛び出してしまい

大工さんが直しに来る。  季節の変化が出る家でした。

この頃にも建材は機械乾燥だろうと思うのですが

自然乾燥のAD材を使っていたのかもしれません。

自然乾燥と言っても機械乾燥なのですけれど説明はこちらをお借りしたので

見てみて下さい。私、説明下手だしね〜。

nagai-sekkei.com

 

 

子供の頃は家のあちこちで季節毎に音がするので

ポルターガイストが起こっているのでは?!と思いダミアン来るかも!

なぁ〜んてドキドキしたものでした。笑

あ、これ映画ですが皆さんお若いから知らないかもですね〜汗

 

でね、今の家では そんな音はしないのです。

この家の建材は死んでいる建材KD材を使っているのでしょうね。

息をしていないのです。

 

家は一生使える家ではなくなってしまったのです。

日々頑張ってプラスチックゴミを減らして環境を良くしたいのに

家は年々ゴミとなるのを待つ日々 なんだか虚しくなりました。

 

父が建てたポルターガイストな家はビルにする為取り壊しました。

これも時代の流れですが、あんな生きた家に住む事は

これから先 無いでしょう。

 

お城やお寺 古い古い良い木を使った建物の保存がなければ

生きた木には一生出会う事はなくなるのかもしれません。

そー思うと柱に頬擦りしたくなります 笑。

 

あ、そうそう先日家を片していたら古い写真が出てきました。

 その写真は祖父母がしていた旅館でね、

建物の位置を敷地内でずらした事があるのです。

丸太を家の土台に置いて転がし人力で動かしたのだそうです。

昔はそんな事も出来たのですね〜。面白い。

 

そんな時代は終わってしまいましたが

プラスチックを減らし 使い捨てを減らし

古い時代の良いところは残せたら良いな、と つくずく思いました。